いつものふざけた感じから一変して、余裕を感じさせる大人の雰囲気に。


それに、今…。


ーー舞、って。


「なぁ舞、知ってるか?」


清川先生はすたすたと私の方に歩み寄る。


その大人な表情で、私をしっかり捉える。


いつもと違う、全く知らない清川先生に、私は少し後ずさりした。


「…我慢ってのは、意外と大変なんだぜ?」


しかし二歩も下がらないうちに、コツ、と棚にかかとが当たった。


「…先…生…?」


私は棚を背に追い詰められる。


「…わりぃ、もう我慢できねえんだわ」


その言葉とともに、グッと肩を掴まれて引き寄せられて…。


ーーそして、ふわり、と唇が重なった。


私は仰天し、何も考えられなくなる。