触れ合う唇には、微かなあたたかさ。


清川先生の匂いが、0センチで鼻をくすぐる。


清川先生に、控えめに腰を抱き寄せられる。


そして、どちらからともなく唇が離れた。


大人っぽい表情をちらつかせる清川先生に、私はついていけない。


「…先生、ダメですよっ…」


ーーこんなの。


先生と生徒じゃ、禁忌です。


突然のことに涙目になり掛けながら、上目遣いで清川先生の表情を伺う。


私を強く抱きしめて離さない清川先生は、不敵な笑みを浮かべていた。


腕の中で私が身じろぎすることすら面白いようで、さらにきつく抱きしめられる。