あたしは、スクバの中から、パスケースを出して、意を決してイケメン男子に近づく。


イケメン男子は、あたしにはまだ、気付かず、歩いていく。


「さ、佐久間龍斗くん。」
あたしは、緊張しながらイケメン男子の名前を呼ぶ。


名前を呼ばれたイケメン男子は、不思議そうに、あたしを見てくる。


「こ、これ、今日ぶつかった時に、間違えてあたしの、スクバに入れたの。ごめんなさい。」


手に持っているパスケースを、見せてあたしは言う。


「あっ!!これ、俺のだ。無いと思ってたんだ。あの時に、間違って入ったんだ。わざわざ、届けに来てくれてありがとう。」


そう言いながら、イケメン男子は、パスケースを受け取る。
そして、また歩き出した。


ヤバい!!メアド教えて貰わなきゃ。


あたしは、慌てて呼び止める。


「佐久間龍斗くん!!」

「何??」


「あ、あの、良かったらメアドを教えて下さい!!」


「えっ?!」

イケメン男子は、ビックリした顔で、見てくる。


「ぶつかった時、あたし、急いでで、謝りもちゃんとしなかったから、今度謝りたいんです。」


「良いよ。」


そう言って、イケメン男子は、メアドを教えてくれた。