家に帰ってくるなり心菜は風呂に入った。

音がする。

心菜のシャワーの音か。

家に1人じゃないってこんな感じなのか。

俺はもう1年ここに1人で住んでいる。

だから、今更寂しいなんて思わない。

あ、音が止まった。上がったのか?

「上がったよー」

「あぁ、うん」

俺も入るか。

「あれ?ご飯食べてないじゃん」

「あー、なんかぼーっとしてた。先に食べてていーよ」

そーいえば、腹減ってたんだった。
まぁ、いーや。先に風呂入ろ。

「んー、待ってるよ」

「わかった」

待ってる…か。

俺はなるべく急いで風呂から上がった。