「なんか飯買って帰ろう。腹減った」

「あ、うん。てか、ほんとにいーの?泊めてもらって」

「いーよ。どーせホテルにでも泊まるつもりなんだろ?」

「え、なんで分かったの?」

「心菜の考える事くらい分かるよ」

「さすが親友だね笑」

「まーな」

「ありがと」

そう言って笑うと、碧も笑った。

普段は大人びた顔をしてるのに、笑うと子供っぽくなる。

そんな碧の笑った顔が私は好き。

それからコンビニに寄って、碧の家に行った。

「うわ、いつ見てもすごいマンション…いーなぁ」

「そ?」

「碧、ほんとにここに1人で住んでんのねー。物がほとんどない」

そう。碧は一人暮らし。

両親は海外に行ってて、碧は1人でこっちに残ったらしい。

実はお金持ちなんだよね。

学校もお金持ちが通うところ。

「心菜、先に風呂入る?」

「え、碧が先でいーよ」

「俺、腹減った。だから、先に入って」

「あ、そっ。じゃあ、先に入らせてもらうわ」

これは碧の優しさ。

普段あんまり喋らないし、マイペースだけど、ほんとは優しいんだよね。