ホテルで軽く食べると外に出掛けた。
「おっ、これ美味しい!
はい真!」
「ん。
…美味しいな。」
「真!こっちも美味しいよ!」
「ん、美味しい。」
「いや〜色々食べちゃうね〜」
広野がお腹を擦りながら言った。
「旅行と言ったら飯だろ!
もっと食べるぞ!」
元気に答える佐島の手には、
溢れんばかりに食べ物が乗っていた。
「瀧は食べ過ぎです。
夜ご飯が入らなくなっても知りませんよ。」
と言う七瀬の手にもこれでもかと食べ物が乗っていた。
「はぁ…」
呆れている神宮は、
周りの女の子の視線をジャックしていた。
「キャッ!」
しばらくすると、
黄色い歓声ではない声が聞こえた。
声のする方へ皆で行ってみる。
すると近くになるにつれ、
悲鳴に関する話が聞こえてくる。
「あれって死神だろ?」
「いや、あれは名を騙ってるだけだ。」
「でもあいつら強いんだろ?」
「あぁ、
俺も本物見てなかったら偽物って分からなかったよ。」
偽物が幅を利かせてるのか。
小さいな。
中心に行くと俺の偽が見えた。
はぁ、俺あんなに図体を強調してねーよ。
「俺が行ってくるから手出すなよ。」
「はいはーい。」
佐島が雷に持っていた食べ物を渡すと、
ズカズカと偽の目の前に出て行った。
最初は余裕そうだった偽だが、
すぐにKOされた。
龍神の特攻隊長なだけはある。
六人いたがすぐに終わった。
周りはザワついていたが、
佐島は気にせず食べ物に夢中になる。
暫くすると別の歓声が聞こえてきた。
そう思ったも束の間。
偽の元に女の子達が来ていた。