野バラが落ち着くと、

俺達は近くのベンチに座った。



「でも死神凄いよな!


俺噂で聞いた、高木組のこと!」



落ち着きを取り戻し、野バラの一人称が変わった。



「あれ、全員警察にやったと思ったんだけど…。」



「あぁ、なんか見に行った奴がいたらしい。」



見に行った奴…?



「…あぁ、なるほど。」



「お、噂の出処分かったのか?」



「あぁ、帰り際にあった奴らだと思う。」



「じゃあ俺より先に会ったってことか、チッ。」



小さく舌打ちが聞こえた気がしたが、

聞こえてないふりをしよう。




「…そうだ。

ネックレス、持ってるか?」



「!

持ってる!なんなら付けてる!」




そう答えると同時に、

付けたままネックレスを見せてきた。




「ん。ありがとう。


じゃあそれ俺に付けて。」



「うっ……ん。」




そう言うと、

のそのそと俺の後ろに行き、

名残惜しそうに、ゆっくりとネックレスを俺に付ける。



「ん。じゃあご褒美にこれを上げよう。」




俺は持ってきていたプレゼントを野バラにあげる。




「え!?プレゼント?!


なんだろ!開けていい?!」



「どうぞ。」




さっきまでのしゅんとしたのが嘘のように、

野バラはテンションが上がっている。



野バラが包装を開け終わり、

バラのネックレスを見る。



「…これ!バラ!俺にぴったしだ!」



野バラはすごく嬉しそうにネックレスを持ち上げる。



「気に入ってくれたか?」



「気に入った!凄い嬉しい!ありがとう!」



野バラはネックレスをいろんな角度から見て楽しんでいるようだ。




「野バラ、俺が付けていいか?」



「いいの?!付けて!」



野バラからネックレスを受け取り付ける。



「…ん。出来た。」



「おぉぉ!ありがとう!凄い大事にする!


…ね!どう?」



付けた姿をいろんなポーズで俺に見せる。


そのポーズに思わず吹き出しそうになるのを堪えて答える。



「…あぁ、似合ってる。」


「やったぁ!」