俺は、

じいちゃんとのやりとりを終えた後、

学校へ向かった。






今の俺は、the 真面目な格好をしている。



目はカラコン入れて黒にし、

黒縁眼鏡。


黒髪に見せているのはカツラ。


生え際はどうしても色が隠れないから安全策。




この格好なら、

暴走族とか関わるようなことは起きないだろう。




俺は、変装に自信を持ちながら歩く。



すると、


一番人が多い登校時間なのか、


校門のところに人が沢山いる。




今は通れないと判断し端で待っていると、


人と人との間から見慣れた人物が見えた。





雷だ。



で、周りにいるのが龍神のメンバーだろうな。







雷達が颯爽と去っていく。





だが暫く経っても、

校門前には女の子達がたむろしていた。





どうしようか、

入り込む隙がない。





俺は半ば諦めていた。

そんな時、一人の女の子が近づいてきた。



「あ、あの、ここの学校の方ですよね?」



「そうですが、何か。」



「あ、あの、お名前とか、聞いても?」



「…神夜 真。」



俺がよく分からずのままそう言うと、

何故か周りの女の子達が叫び出した。



俺がそんな状況に戸惑っていると、

また質問が来た。



「あ、あの、なんでここに立ってるんですか?」



「人がいて入れないから…」




そう言うと、


サーッと言う音が聞こえるかのように、


女の子達が校門への道を開けた。




「…!?

じゃあ、通れるようになったから。」




「あ、はい!」



俺は結局訳が分からないまま、

校舎に入っていった。








___________






「今年は龍神のメンバー様たちのファンクラブだけではなく、

神夜 真様のファンクラブも作らなくては…!」



「しかしみなさん!見ました?!

真様のネクタイの色!二年生でしたよ!」



「去年はいなかったよね!?」



「ってことは今年転入してきたのかな!」



「そして、

天然無自覚キタ(゜∀゜)コレ☆」



「鈍感も忘れずに!」



「俄然萌えてきました!」



「早速写真を焼くわよ!」



「ちょっと!それは盗撮よ!」



「で、でもかっこよくて!」


パシッ


平手打ちをかました。



「私達はファンよ!

対象の困る事はしてはダメ!」



「(;ºДº)ハッ

…ごめんなさい、私…!」



「分かればいいよ。同士。」




「よし、対象を守るぞー!」




『おぉぉぉ!』




その熱意の篭もった女の子達の会話は、

真には届かなかった。