警察が来て後は処理してもらった。




「お前ら、帰るぞ。」



俺は東堂ら組員達に言う。



だが、全員俯いて動かない。




「どうした。


怪我でもしたか?」


顔を上げる東堂。


「…あのっ!」



東堂が土下座しながら言う。



「俺のせいで怪我させてしまって、

本当にすみませんでした!


こんなっ、俺っ、若頭補佐失格ですっ!」




「東堂…、」




『俺もすみませんでした!』



全員が口々にそう言い土下座する。


何人かは泣いていた。




あぁ、

本当に、



「バカだな。」



「うぅっ、すみません。」




「本当に、

…お前ら良い奴過ぎだろ。」




「えっ?」




全員間抜けな顔でこちらを見る。


俺は、そんな顔を見て頬を緩ます。



俺は腰を落とし、全員と目線を合わして話す。




「お前らは、

組長のことが、

組のことが好きなんだろ?


そんな時、血縁の無い俺が次期組長。

心配になるよな。



…でも、もう心配すんな。


俺は強い。


お前らの後ろは俺に任せろ。」




『若っ…!』



全員ぼろぼろ泣いている。



「さ、立て。


天下の神夜組が膝ついてていいのか?」




俺が目線の高さを戻して言う。


すると全員すぐに立ち上がり、俺を見る。




「ん。それでいい。」



俺は少し歩いて止まり、

後ろになった組員を見る。



「俺は速度を合わせはしない。


お前ら、遅れるなよ。」





『…はい!!』



俺達は一緒に本家に帰った。