じいちゃん家で飲んだ日から数日過ぎ、

俺は真面目に学校に通っている。



が、本当は面倒臭い。




それでも学校に行くのは、

やっぱり詩音のことだ。



学校に行けば、詩音に会える。




この頃詩音は、

雷達、龍神と関わっているようだ。




まだ嫌そうな顔は否めないが、

ほんとに嫌ってはなさそうだ。




龍神が、詩音の居場所になったらいいな。




そう思いながら、

俺は死神の姿になる。





髪を、片方側だけピンで止めて上げる。


地毛が見える、銀色だ。


耳には、鎌の形のピアスがゆらゆらと揺れている。


服は、黒ベースで少し白が入るパーカーとズボン。


薄く破れにくい黒の手袋を付けマスクを付ける。


最後にフードを被る。




これでよし。



俺は、久しぶりに死神の姿をした。




というのも、

高木組を潰し、残るは氷鬼。



じいちゃんから、氷鬼の周りで暴れろとのご指名だ。




氷鬼、すぐに潰してやる。

詩音のしがらみの一つ。



でもまぁ、今日は暴れることに専念する。





俺は身支度を終え、家から出る。






___________







ドカッ、バキッ…




ナンパ、恐喝、レイプ等、

仲裁すること約一時間。



本道の脇をあらかた回った。




すると、

何台かのバイクの音が近くに来ている。




この人数、

龍神か…?




俺は自分のバイクに跨りエンジンをかける。



まだ、俺が出て行ったらダメだからな。


じゃーな、龍神。




そう思いながら俺はバイクをとばした。




一時走ると、龍神のバイクの音は遠くなっていた。



俺は、

バイクのスピードを少し下げ走る。




少しすると、

男が群がってるのが見えた。




そこは公園。


異様な空気を感じた俺はバイクを降りた。




近くまで行くと見えてきた。



女の子を取り囲んでいる。




しかしよく見ると、

その女の子は龍神の幹部、



広野 瑞希(こうや みずき)



だった。