「では!

始まりの音頭を組長!お願いします!」



じいちゃんが立ち上がる。





「…まず松原、


無事に戻ってきたことを嬉しく思う。

お前のお陰で高木組を落とせた。



よく頑張ってくれた。



…真も、

次期組長としてよく働いた。



高木組がいなくなったこれから、

また問題も出てくるだろう。



だが、

今日は存分に楽しめ。


乾杯!」




『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』



祝いの宴が始まった。



こういう時はいろんな奴がいて、

裸踊りする奴もいれば、歌うやつ、泣くやつ、

童貞同士で円陣を組む奴ら。




とにかく、

全員満面の笑みで飲んでいる。




「若!

俺の酌、飲んでくれませんか!」


松原が酒を持ってきた。


「ん。」


盃を松原の前に出す。


にこにこしながら松原が酒を注ぐ。



注いだ酒を、

俺は一気に飲んだ。



「若、お見事!」




次は松原の番だ。


俺は松原の持ってきた酒を取る。




「ん。」



盃を持つよう合図する。




松原は一瞬驚いたが、

すぐに盃を俺の前に出した。




俺が注ぐと、

松原も一気に飲んだ。




「ありがとうございます若!」




『松原さんいいなぁー!!』




いつの間にか周りに集まっていた組員が、

一斉にそういう。




「若!俺もお願いします!」



「いやいや!俺が最初に!若!」



「何言ってんだ!松原さんの次は俺だろ?!

ですよね若?!」




皆口々に喋り出す。



「たくっ、



わかった、

注いでやるし飲んでもやる!」



俺がそう言うと、

また場が大きい声を出した。





それから組員達と飲んだり、

じいちゃんと飲み比べしたりと、

楽しい時間を過ごした。






翌日、

組員の介抱をするのが大変だったのは言うまでもない。