今日は報告のため、
学校を休みじいちゃんの家、神夜組本家に来た。
門の前まで行くと、もう既に松原が出ていた。
「悪いな、待たせたか。」
「いえ、若を待ってる時間は楽しいので。」
「そうか?」
松原と話しながら家に入る。
「今日は楽しくなりそうですね若。」
「あぁ、そうだな。
でも今日は、
高木組を潰せたことの祝いもあるが、
お前の帰還祝いが主だ。
楽しめよ。」
「はい!」
そうこう話していると、
じいちゃんの部屋に着いた。
「組長、真さんがいらっしゃいました。」
松原が扉の前で喋る。
「ん、入れ。」
じいちゃんの声が聞こえる。
俺は床に正座する。
「神夜真、帰りました。」
俺はそういいながら、
じいちゃんに礼をし部屋に入る。
今日のじいちゃんは、
堅気の人が見れば怖がるような、
そんな真剣な顔をしていた。
俺はじいちゃんの前に座る。
再度礼をし、
頭を下げたまま報告する。
「高木組は、
昨日をもって、
消滅を確認しました。
尚、
詳細な報告は先に報告させて頂いたもので変更はありません。」
「ん、ご苦労。
楽にしなさい。」
「はい。」
俺はじいちゃんの言葉で頭を上げる。
じいちゃんを見ると、
さっきまでの顔とは違う、
いつもの優しい顔に戻っていた。
「真、久しぶりだな。
元気にしてたか?」
じいちゃんが優しく声をかける。
「うん、俺は元気だよ。
じいちゃんこそ大丈夫?
この前屋根から落ちたって聞いたけど。」
「あぁ、そうだったな、
真に貰った塗り薬も効いてすぐ治ったぞ。
あれのお陰で今じゃ肌が前より綺麗だ。」
じいちゃんは、
怪我をしていたであろうところを俺に見せたり、
肌を摘んだりしてみせた。
「なら良かった。
今日も一応持ってきたんだ、
置いておくから。」
持ってきたものをじいちゃんにあげた。
「おぉ、ありがとうな。
大事に使わせてもらうよ。」
じいちゃんと俺は、
宴の準備が出来るまで話した。