「ねぇ、拓斗、どっか行かない??」

アタシは拓斗の腕を引っ張った。


凛介、ゴメンネ。


「あ、拓斗トイレ行ってくるから待ってて。」

アタシはトイレに入ると鞄からケータイを取り出した。


メモリから凛介を出す。

『プルルルル・・・』


まだかな。


『プルルッ』

『も、もしもし?』

凛介だ!


「あ、凛介?アタシだけど。」

『あ、静ちゃん??』

「うん」

『どーしたの??』

「んっとねー。コンビニで愛たちに会ったの。」

愛とはあたしの友達の事。

『そかー。まだコンビニ??』

「んー。ううん。愛の家。」

『まだ居る??』

「うん、もう少しね。」

『俺、どーしたらいい??』

「家に居て、待ってて。コーラとアイス持って帰るから。」

『うん!』


何も知らない凛介。

そっとケータイをなおして、トイレを出た。