俺に彼氏が居る事を一言も言わない。


ド ウ シ テ ? ?


伝わるはずもない声に胸が締め付けられる。


「うん、すぐ帰るから。」


「うん!気をつけてね!」


ガチャ

扉がしまったのと同時に静ちゃんの部屋の出窓にヒジを着く。

小さな出窓だけど見える範囲は困らないくらい。

見るといつものヤツ。


玄関が開くまで5分くらい。


アイツは笑顔で静ちゃんに話しかける。


そこまで見送ると、へなへなと下にしゃがむ。


こんな女々しい男、誰が振り向くんだよ。


可愛い系じゃあ、静ちゃんの隣には立てないんだから!

「ッ!!」


俺に対して恋愛経験豊富の静ちゃん。

それもタメとなんて滅多に無い。

大体年上なんだ。


だからこそもっと背伸びがしたくなる俺。


静ちゃん、早く追いつくからね。


今だ嘗て自分から告白をしたことが無い俺。

だからこの"告白"は静ちゃんに送るよ。


大切な君へ。