初めての恋は中1だった。

学区が小学校の時とはちがい初めて見る顔だった。

クラスもちがい話すこともなくお互いの第一印象は薄いものだっただろう。

俺もその時は恋愛などに興味はなく中学から始まる本格的な部活動に精をだしていた。

周りの友達がスマホを手に入れ休み時間の話題は
LINE、ツイッターなどSNSやスマホゲームのことで盛り上がっていた。

もちろんおれも欲しくなった。

しかし、うちの親は厳しく友達にも同情されるほどだった。

頼んでも買ってもらえる確率は限りなく低かった。

それでも欲しかったのはみんながやっていたからだけではなかった。

「お前と連絡取れたら楽しいのにな!」

おれの親友がそう言ったからだった。

父親に怒鳴られる覚悟を決め交渉した。

意外にも怒られることはなかった。

しかし、条件が出た。

「定期テストで学年で10位以内に入れれば買ってやろう。」

自信がなかった。
頭が良い方ではなかったし、初めての定期テストというものがどのようなものかわからなかったからだ。

だが、親友と連絡を取るため、みんなの話題についていくためにも必死で勉強した。

自分でも驚くことに6位をとることができた。

驚いていたが父親も約束どおり買ってくれた。

スマホを手に入れたおれはすぐにLINEをダウンロードし、親友と連絡を取り合った。

すでに手に入れていた親友がその時すでにできていたグループに招待してくれた。

みんなと学校以外で会話を楽しむことができて感動した。

もちろん小学校が違う友達もすでにできていた。

しかし、まだ話したことのない人もいた。

LINEを通して仲良くなった子もいた。

その中に彼女がいた。
お互いまだ意識はしていなかっただろう。

「よろしく!!3組の村上だよ!」
彼女からのメッセージで始まった。

「立川君は好きな人いる?」
すぐに恋愛の話になった。
その時は恋愛などに興味はなかった。

「いないよ。村上さんはいるの?」

なんとなく聞き返してみた。

「いるよ!!」
彼女は同じ3組の西川君のことが好きなようだった。

LINEの頻度も多くなり、
次第に仲良くなっていった。

おれは自分でもびっくりしたが村上さんのことを意識し始めていた。

村上さんもおれのことを好きになっていたみたいだった。

LINEは毎日続き、学校帰ってからのLINEが楽しみで仕方なかった。


夏休みにはいりお互いの部活が忙しいにもかかわらず夜電話をしたりとても楽しい時間を過ごした。

明日から学校という憂鬱さと村上さんに会える楽しみが混じって変な感情になりながら会話していると
村上さんから

「私の他校の友達で付き合ってる子がいるんだけどすごくない?立川君は付き合おうとかおもったりしないの?」

付き合うとかわからなかったがそういう関係は憧れると返信した。

「もしよかったら私と付き合ってくれないかな、夏休み前からずっと好きだったんだ。」

驚いた。

まさかおれと同じ気持ちだったなんて、
付き合うことは初めてだったがもちろんOKした。

この日おれに初めての彼女ができたのだ。

明日1番に彼女の顔が見たく、みんなが夏休み明けの最も憂鬱な日がたのしみに変わった。