天気も良くて暖かい水曜日の午前中。
陽菜はいつもの変装グッズにほんの少しだけお洒落して、自宅の最寄り駅から三つ電車に乗って降りた駅前のロータリーの時計台近くで勇人と待ち合わせていた。
勇人が車を出してくれることになっていたがお互い芸能人。
念には念を入れて自宅から離れた場所で落ち合うことにしていた。
ーー変じゃないかな……?大丈夫かな?
そわそわと自分の服装を見直したり、手に持ったバスケットのデザインを見てみたり、カツラでいじりようのない髪を指で巻いてみたり……陽菜はそわそわと落ち着かない気持ちでいっぱいだった。
それというのも朝陽が今朝起きるなり、陽菜姉、初デートだねー。とニヤニヤからかってくるからだと、今この場にいない弟に責任を押し付けようとしていた。
約束の時間まであとどれくらいかと腕時計を見ようと視線を落とそうとすると、ショルダーバッグに入っているスマホが鳴り出した。
取り出してみると、約束した日に朝陽に番号を登録してもらった勇人からの着信だった。
「も、もしもし!おはようございますっ」
『おはよう。
早速だけど、乗ってくれる?』
ロータリーの方を見るとシルバーの車が一台停まっていて、運転席でサングラスをかけた勇人がスマホを耳に当てていた。
「はい、すぐに行きますっ」
小走りで車に近付き止まる。
この場合、助手席と後部座席のどっちに乗るべきなのだろうか。
陽菜が悩んでいることが分かったのか、勇人は助手席の窓を開け少しだけ運転席から身を乗り出した。
「荷物は後ろに。
君は前に乗って」
「は、はいっ」
指示された通りにあたふたと動き助手席に乗る。
陽菜がシートベルトをしたことを目視で確認した勇人はスムーズに車を走らせた。
陽菜はいつもの変装グッズにほんの少しだけお洒落して、自宅の最寄り駅から三つ電車に乗って降りた駅前のロータリーの時計台近くで勇人と待ち合わせていた。
勇人が車を出してくれることになっていたがお互い芸能人。
念には念を入れて自宅から離れた場所で落ち合うことにしていた。
ーー変じゃないかな……?大丈夫かな?
そわそわと自分の服装を見直したり、手に持ったバスケットのデザインを見てみたり、カツラでいじりようのない髪を指で巻いてみたり……陽菜はそわそわと落ち着かない気持ちでいっぱいだった。
それというのも朝陽が今朝起きるなり、陽菜姉、初デートだねー。とニヤニヤからかってくるからだと、今この場にいない弟に責任を押し付けようとしていた。
約束の時間まであとどれくらいかと腕時計を見ようと視線を落とそうとすると、ショルダーバッグに入っているスマホが鳴り出した。
取り出してみると、約束した日に朝陽に番号を登録してもらった勇人からの着信だった。
「も、もしもし!おはようございますっ」
『おはよう。
早速だけど、乗ってくれる?』
ロータリーの方を見るとシルバーの車が一台停まっていて、運転席でサングラスをかけた勇人がスマホを耳に当てていた。
「はい、すぐに行きますっ」
小走りで車に近付き止まる。
この場合、助手席と後部座席のどっちに乗るべきなのだろうか。
陽菜が悩んでいることが分かったのか、勇人は助手席の窓を開け少しだけ運転席から身を乗り出した。
「荷物は後ろに。
君は前に乗って」
「は、はいっ」
指示された通りにあたふたと動き助手席に乗る。
陽菜がシートベルトをしたことを目視で確認した勇人はスムーズに車を走らせた。



