約二時間のライブ中、Kaiserの歌と音楽、観客の歓声が聞こえてくる。
陽菜はスタッフに指示された場所で朝陽とひっそり隠れていたが、緊張で手足が震えて止まらなかった。
「やっぱ格好いいよなー。
あれが俺の兄さんかー」
「朝陽……そんな呑気な……」
「俺、緊張するようなことしないからさ。
折角だしKaiserの生歌、堪能しとくよ」
血も涙もない弟に陽菜は思わず涙目になる。
こんな状況じゃなかったら自分も堪能できたのに、と恨めしく思ってしまう。
「Kaiser、アンコール準備します!」
バタバタとステージ裏が慌ただしく動き出す。
ライブが終わり勇人と拓也が走って戻ってくると用意された衣装に急いで着替え水を飲む。
隠れている場所からこっそり覗いて見ると、汗を拭いながらスタッフと真剣に話している勇人に陽菜はドキドキしていた。
「朝陽、私の旦那様ってすごく格好良い……」
「緊張するかのろけるか、どっちかにしようよ」
やがて短い休憩も終わり二人がステージに飛び出ていく。
再び聞こえる歓声と歌に、陽菜も改めて気合いを入れた。
ーーみんなが協力してくれるんだから、頑張らなきゃ……!……お願い、勇気をわけてね……?
そっとお腹に触れて目を瞑って集中する。
朝陽がその上に手を乗せてきたので目を開くと、朝陽が、大丈夫。と呟くのを見て陽菜はしっかり頷いた。
陽菜はスタッフに指示された場所で朝陽とひっそり隠れていたが、緊張で手足が震えて止まらなかった。
「やっぱ格好いいよなー。
あれが俺の兄さんかー」
「朝陽……そんな呑気な……」
「俺、緊張するようなことしないからさ。
折角だしKaiserの生歌、堪能しとくよ」
血も涙もない弟に陽菜は思わず涙目になる。
こんな状況じゃなかったら自分も堪能できたのに、と恨めしく思ってしまう。
「Kaiser、アンコール準備します!」
バタバタとステージ裏が慌ただしく動き出す。
ライブが終わり勇人と拓也が走って戻ってくると用意された衣装に急いで着替え水を飲む。
隠れている場所からこっそり覗いて見ると、汗を拭いながらスタッフと真剣に話している勇人に陽菜はドキドキしていた。
「朝陽、私の旦那様ってすごく格好良い……」
「緊張するかのろけるか、どっちかにしようよ」
やがて短い休憩も終わり二人がステージに飛び出ていく。
再び聞こえる歓声と歌に、陽菜も改めて気合いを入れた。
ーーみんなが協力してくれるんだから、頑張らなきゃ……!……お願い、勇気をわけてね……?
そっとお腹に触れて目を瞑って集中する。
朝陽がその上に手を乗せてきたので目を開くと、朝陽が、大丈夫。と呟くのを見て陽菜はしっかり頷いた。



