クールなアイドルの熱烈アプローチ

「それでは越名さん、次は一ヶ月後に検診に来てくださいね。
それまでに手帳をもらってきてもらうのと……お仕事は無理をなさらないように」

「はい、ありがとうございました」

陽菜はキラキラ目を輝かせながら病院を出て堀原の待つ車に向かった。

「堀原さん、堀原さん、次は一ヶ月後の午前中に診察です。
お仕事の調整、よろしくお願いします」

「分かった」

陽菜は昨日は倒れてしまったものの、点滴をしてもらいぐっすり眠ると今までの不調が嘘のように元気になっていた。

「堀原さん、私、これからお仕事もっといっぱい頑張ります」

「そうだな。
せめて体調が落ち着くまではセーブさせるが、安定したら出来る仕事をこなしてもらおうか」

「はいっ！」

体調が万全ではないということで堀原は三日間の休みを確保してくれたらしいので、その間に陽菜は診察の結果を勇人に知らせようと思っていた。
知らせるにあたって、ある人の協力を願おうと陽菜は朝陽に連絡をする。

『もしもし？
陽菜姉、どうしたの？』

「朝陽、あのね、教えてほしいことがあるんだけど……」

陽菜の用件と企んでいる計画に朝陽は驚いたようだが、すぐに気を取り直し、おもしろそうじゃん、俺もその計画に混ぜてよ。とのってきた。