クールなアイドルの熱烈アプローチ

英理と同じように蛯名も大堂に脅されいたこと。
事務所も大堂に愛想を尽かして解雇に追い込むよう動き出したこと。
朝陽に言われ、見せられたスマホの画像のデザインの物を探し回っていたが見つからなかったことを蛯名は報告した。

「言いなりになってた事務所が大堂さんを解雇……?
そんな話、聞いたことなかったですよ……?」

「これは極秘中の極秘の話でほとんどの人が知らされてないんです。
それに、敵を騙すにはまず味方からって言うでしょう?」

蛯名の言葉に英理が小さく頷いたのを確認し、堀原は周囲を見回した。

「私はマネージャー同士のネットワークを使って情報を集めました。
大堂に関わった……もしくは目をつけられて引退に追い込まれた者や休養状態の者が多いらしく、こちらから要請すればほとんどの事務所が協力してくれる状態です」

「具体的にどんな協力してくれるの?」

「いろいろ策はありますが、例えば各事務所が一斉に大堂への抗議文を出すと同時にマスコミにも今までの事を公表します。
大堂自身、それなりにイメージに傷がつくかと」

堀原の言葉に拓也が頷くと、それに目撃者達の話もあれば優位に話が進められそうだよね?と言った。