それから暫くして、陽菜が落ち着いてから二人は話をした。

陽菜が大堂に言われたことやされたこと、心配をかけたくないし、誰にも知られたくなくて言えなかったこと。

陽菜の話を勇人は優しく頷きながら聞いていた。

勇人は陽菜がこれ以上傷ついてしまうのではないかと恐れたこと、大堂は狡猾なやり方をするのでモデルの子も信じられるか分からず、陽菜を心配するあまりあのような言い方になってしまったこと。

話し合うと陽菜は少しスッキリした顔になり、小さく微笑んだ。

「越名さん、私はそのモデルの子を……英理ちゃんを信じてみたいです。
私に“後悔してる”って泣いて謝ってくれたその姿を、嘘だと思いたくありません……」

やっぱり、お人好しすぎますか?と陽菜が聞くと勇人は首を振った。

「君が信じたいのなら、そうすればいい。
ただ、頼みがあるのだが……」

「頼み……?」

「近いうちにその子に会わせてほしい。話したいことがある。
それまで絶対に何も行動しないでと伝えて」

真剣な眼差しの勇人のその言葉に、陽菜はおずおずと頷いた。