「えっと、あの、仲良くしてくれてたヘアメイクさんと、あと、名前は知らないんですけど……後輩のモデルの子で……」
『名前も知らないのに会うのか……?』
怪訝そうな勇人の声に陽菜はどう話そうか迷った。
人見知りの激しい陽菜は本来なら知らない人がいる場所へプライベートで赴くことはないのだが、ヘアメイクさんが、どうしても来てほしい。と懇願してきたのだ。
「明日でないと駄目なのか?
別の日なら俺も一緒に……」
『いえ、越名さんにこれ以上お手数おかけするわけにはいきませんから。
それに、二人の都合がどうしても明日しかつかないようで……』
「……分かった。
でも、何かあったらすぐに連絡して」
渋々納得してくれたのか、溜め息混じりに返事をした勇人に申し訳なく思いながら陽菜はホッと安堵の息をもらした。
『はい、わかりました。
あ、もうこんな時間……越名さん、遅くまでありがとうございました。
……おやすみなさい』
朝陽相手なら何とも思わないのに勇人におやすみの挨拶をするのは少し気恥ずかしかった。
おやすみ。と勇人が返してくれたのを聞いてそっと通話の終了ボタンを押すと、陽菜はスマホを両手で持って胸に寄せた。
相変わらず電話から聞こえてくる勇人の声に慣れそうになく、陽菜は心臓の鼓動が少し落ち着くのを待っていた。
『名前も知らないのに会うのか……?』
怪訝そうな勇人の声に陽菜はどう話そうか迷った。
人見知りの激しい陽菜は本来なら知らない人がいる場所へプライベートで赴くことはないのだが、ヘアメイクさんが、どうしても来てほしい。と懇願してきたのだ。
「明日でないと駄目なのか?
別の日なら俺も一緒に……」
『いえ、越名さんにこれ以上お手数おかけするわけにはいきませんから。
それに、二人の都合がどうしても明日しかつかないようで……』
「……分かった。
でも、何かあったらすぐに連絡して」
渋々納得してくれたのか、溜め息混じりに返事をした勇人に申し訳なく思いながら陽菜はホッと安堵の息をもらした。
『はい、わかりました。
あ、もうこんな時間……越名さん、遅くまでありがとうございました。
……おやすみなさい』
朝陽相手なら何とも思わないのに勇人におやすみの挨拶をするのは少し気恥ずかしかった。
おやすみ。と勇人が返してくれたのを聞いてそっと通話の終了ボタンを押すと、陽菜はスマホを両手で持って胸に寄せた。
相変わらず電話から聞こえてくる勇人の声に慣れそうになく、陽菜は心臓の鼓動が少し落ち着くのを待っていた。



