その日から、千藤君のことも市ノ瀬君のことも徹底的に避けた。

頭の中がぐちゃぐちゃになってしまって、もう何も考えたくない、と
そう思ったから。
千藤君は何度も何度も私に会おうとしてくれた。教室まで来てくれたこともあるし、私が下校するのを下駄箱でいつまでも待ち伏せしていたこともあった。

だけど私はそれをすべて避けた。

以前と同じ、一人ぼっちになってしまった。

だけどこれでいいんだ。
悩むことなんてなくなって、一気に身体が軽くなった気がする。


何か言いたそうな顔で私を見る市ノ瀬君の視線を感じる、だけどそれも気づかないふり。

だれかと関わって、関わってしまったことで悩みがどんどん増えていくなんて。
それが人間関係だというなら、私はそんなものいらない。

だれも私に興味を持たない、私もだれにも興味を持たない。

それでいいんだ。