私の抵抗に一瞬きょとんとして、市ノ瀬君は声を上げて笑った。 「何今の、睨んでたつもり? なんも怖くねえんだけど!」 お腹をかかえて笑う市ノ瀬君に顔が真っ赤になっていくのを感じた。 もう嫌だ。 どうせなら放っておいてほしい。 中途半端に私に関わって私の自尊心をギタギタにする、 市ノ瀬君は最低だ。 「田宮さん帰んないの?」 「…図書館に寄って帰るから」 ふーん、そう。 自分から聞いておきながら興味の無さそうに返事をした市ノ瀬君を置いて、さっさと教室を出た。