左手は大丈夫だろうか。 ちらりと市ノ瀬君を盗み見ると、痛々しい包帯に包まれた左手はだらりと降ろされたままで。 ちくりと良心が痛んだ。 クラスの女子たちは目ざとく怪我に気付いて、彼に口々に言葉をかける。 それを涼しい顔でかわす市ノ瀬君はさすがモテ男という感じで。 …利き腕じゃなくてまだ良かった。 そんなことを思ってしまった。