最低な君は、今日も「大嫌い」を口にする




「…っ、くしゅ」

朝の喧騒の中、私の小さなくしゃみの音が響く。
案の定というかなんというか、風邪を引いてしまった。
あんな土砂降りの中傘もささずにいたんだから当たり前だと言われるかもしれないけど。

なんとなくぼーっとする頭のまま、教科書を取り出す。
朝の教室はいつも通り騒がしかった。


「クシュン、」

小さなくしゃみの音にふと顔を上げる。
私みたいに風邪を引いてしまった人がいるみたいだ。

音がした方に目を向けると、


「「!!」」

何故か此方を見ていた市ノ瀬君と目が合う。
その瞬間、昨日のことが思い出されて居た堪れない気持ちになる。
慌てて市ノ瀬君から目をそらした。

どうやら彼も風邪をひいてしまったらしい。
…昨日割と寒かったしな。

ずる、と鼻をすすりながらそんなことを思った。