「あーほんと幸せ。肉まん美味い。幸せ。」
「…よかったねぇ」
しみじみと言った千藤君にそう返せば、「塩対応ー!」なんて言葉と爆笑が返ってきた。
よかったね、以外なんて言えばいいんだ。
「てかさー、田宮さんアレアレ、アレしよ!」
うちのお母さんばりにアレを連呼する千藤君は携帯を取り出してひらひらと振った。
アレ、とはなんのことか。
「アレってなに」
「ラインー!交換しよ!」
そう言いながらぽちぽちと携帯をいじり始めた。
ああ、ラインのことだったのか。
慣れない手つきで連絡先を交換する。
なんてったって私は友達が居ない。
連絡先を交換する場面なんて今まで片手で数えられるくらいしかなかった。
「よっし!できたー」
満足そうに笑って最後の一口だった肉まんを頬張った千藤君は立ち上がり、
「これでいつでも連絡取れるからね、」
何故か念を押すようにそう言った。

