「…田宮さん律儀だなあ〜」

そう言って笑った千藤君は、小さな子どもにするように私の頭を撫でた。
完全に年下のような扱いだけどまあ文句は言うまい。

にこにこ笑う千藤君を見てそう思った。


「そうだ、田宮さん今日放課後暇?」

「え?」

「俺今日部活休みなんだけどさ、遊んで帰らねえ?」

突然の誘いに反応できない私を千藤君は気にもとめず、「じゃあ放課後、下駄箱で待ってる!」なんて勝手に決めてしまった。

バイバイ、と手を振って教室に入っていく千藤君を呆然と見送る。
あまりの急展開に頭がついていかないようで、ぼんやりとその場に立ち尽くした。