あたしは近くのベンチに座った。しばらくすると、彼が戻ってきた。


「はい、あげる」


あたしに買ってきた缶コーヒーを渡すと、横に座って自分も飲み始めた。


あたしも貰った缶コーヒーを飲んだ。



「どお?落ち着いた?怖かっただろ?いきなりあんなのに絡まれて」


怖かった?


あぁ、そっか。


あたし、怖かったんだ。


あたしは人より感情が薄い。


だから、怖いという感情もあまり分からなかった。


でも、そうか。



あたし、怖かったんだ。



「もう、大丈夫です。コーヒーもありがとうございました」


「帰り、大丈夫?怖くない?一緒に…はダメか。俺がやばい奴みたいだ」


1人会話をしている彼を見ると、落ち着いた。


変な人だな。


「ふっ笑 もう、大丈夫です。ありがとうございました」



もう一度お礼を言って、家に帰った。