真っ赤に染った紅葉もなくなって、冬を迎えようとしていた頃。


あたしは学校を転校した。



去年の冬、父親が家を出て行った。昔から仲の悪かった両親の口からとうとう離婚の話が出た。


別に、悲しくはなかった。永遠の愛なんて存在しないんだな。ただそう思った。



父親が出て行ったことであたしの心に1つの思いが生まれた。



『解放されたい───』