駅前の植木のところに男が数人溜まっていた。
そこにあの人がいた。
「あの人…」
「え?」
「あの人がいた」
「嘘!どこ!?」
「あの植木のとこ」
「行こっ!行ってみよ!」
夏菜子はあたしの腕を引っ張ってあの人の方へと進んで行く。
どうしよう。
緊張してきた。
まさか、本当に会えるなんて思ってなかった。
「あのっ」
夏菜子があの人に声をかけた。
夏菜子ってば意外とグイグイいくんだよね。
「えっ?」
こっちを見た彼は夏菜子を不思議そうに見る。
そりゃあ、そうだよ。
知らない人にいきなり声掛けられたら驚くって。
彼の周りの人も驚いてる。


