愛を教えてくれたあなたに

いつもと同じなのに、龍ちゃんの家ってだけでこんなにも緊張するんだ……


「お邪魔しまーす!龍空くん家キレイだねー!しかも広ーい!」


「そうか?あんま物がねぇからじゃねぇ?」


確かに物は少ない


……なんか龍ちゃんっぽい


「彩華、いつまで突っ立ってんの?座んなよ」


龍ちゃんに言われあたしは我に返った。


「あ、うん」


「どうしたの?彩華。さっきからぼーっとして」


夏菜子が体調悪い?って心配そうに聞いてくる。


「ち、違うの。ちょっと…緊張しちゃって……」


静かに答えると夏菜子は少しびっくりして優しく笑った。


それならあたしに任せてって言って。


任せてって一体なにをする気なんだろう。


「ねぇ、勉強する前にさちょっと買い出し行かない?」


いきなりの夏菜子の提案に龍希くんは


「別に後でよくね?」


面倒くさそうに答えた。


「いーから!あたし達で行ってくるから、彩華達はゆっくりしてて〜」


えっ!任せてってこういうこと!?