頼まれたのは前に行ったことがあるお店に行くことだった
まだ色々なリハビリで入院中なので先生に外出許可をもらった

「ここは学校の帰りによく来てたカフェだよ。優也はここの抹茶ラテが
好きだったんだよ」
「そうなのか?じゃあそれ頼もうかな」
「わかった」


「うまい…」
「最初に来た時とおないこと言ってる」
「まじか!味覚は変わらんもんだな」
「おじいちゃんみたい」
「わしは…っておい!」


前に戻ったみたいでとても楽しかった
あれから色々なところにまわってみたけど全然思い出す気配はなくて…

「今日はありがとな。俺ほんとに何も覚えてないんだな…」
「大丈夫だよ!絶対いつか思い出すから」
「そうだな!」
「まだまわってないところあるからまた後で行く?」
「ああ。ごめんな美海…でも俺の気持ちは変わらないんだなって気づいた」
「…?」
「今日一日一緒にいて美海に惚れた理由が分かったから」
「…ありがと!」
「よし、帰るか」
「うん!」