そのまま屋上まできたわたしはチャイムが聞こえる中、ぼーっと空を眺めていた。 もう12月なのでさすがに寒い。でも教室にも戻りたくなかった。 “ガチャン” 突然扉が閉まった音がして後ろを振り向くと息を切らした郁美が立っていた。 「郁美?授業中だよ、どうしたの?」 「美樹にいわれたくないわ」 「たしかに」 きっと、探してくれてた。 郁美はさばさばしてるけど、本当に優しいから。