「姫と父上…なぜここに」
「偶然、姫様に会ったので私が誘ったのです」
「お邪魔しないようにいるから、私はいないものだと思って頂戴。アルベルトも私のことを気にしないで、稽古をつけてあげて」
ウィルに何か言われる前に先に言う。
「そうですね、私が手ほどきといきましょうか。ウィルは先ほどのようなことがあるかもしれませんから、姫様といなさい」
「言われなくてもそうしますよ」
これじゃあ結局ウィルの邪魔をしてしまうと思ったが言ったところで無駄なので黙る。
それよりも、少しムスッとしながらアルに言うウィルもやはり父親の前ではこういう反応をするのかと少し面白い。
「やっぱりアルもまだまだ現役でいけそうじゃない」
アルベルトの剣捌きを見ながら、ポツリとリリィが呟く。
「…そうですね。それより、訓練場は危険なのでたとえ父上に言われようと今度からは断ってください」
「大丈夫よ、剣が飛んできても避けれるもの」
「そういう問題じゃありません」
もしかしてお説教モードに入ったかしら?
「そ、それよりアルベルトは本当いくつになってもかっこいいわ」
「…姫の初恋は父上なんですよね」
なんとかお説教モードに入らなくて済んだようだ。リリィはほっとしながら、話す。
「ええ、そうよ。あんなにかっこいい護衛がそばにいて好きにならない方が難しいわよ。まぁ、幼い頃のことだし、アルには笑顔でかわされてたわ。今となってはいい思い出ね」
「具体的にどの辺が好きだったのですか?」
「そうねえ…優しいところかしら、アルは何しても怒らなかったの。だからかしら?お兄様やお母様に怒られたあと必ず慰めてくれたし、私のお願いはほとんど叶えてくれたわ」
「…私も姫には怒っていませんけど」
「そうかしら…?ウィルには私、怒られてばっかりな気がするけれど」
現にさっき怒られたような。
それに基本的にウィルに会えば何か小言を言われる気がする。
私がほとんどは悪いのはわかっているけれど。

