永遠に愛を貴方に捧げて


「アルとウィルってどっちが強いの?」
「私も歳をとりましたからね。今だと剣の腕はウィルの方が上でしょう」

騎士団に入っているヴァンパイアは基本的にヴァンパイアの能力ではなく剣で戦う。
王族ではないヴァンパイアの能力は基本戦いでは役に立たないのだ。

「私とウィルが戦ったら私に勝ち目はあるかしら?」

リリィは興味本位でアルベルトに聞いてみる。

剣は扱えないが視線さえ交わって能力を使えば、勝てるとリリィは思っている。

「ウィルほどにならば、目を瞑っても敵の位置を正確にわかるんですよ。そうしたら、姫様が力を使うこともできません。けれど、ウィルはきっと姫様を怪我させたくないのでわざと負けるように仕向けるので結果的に勝てますよ」

アルベルトが笑いながら言う。

「それでは意味がないわ」
「そもそも守る対象に剣を向けるなどありえませんからね」
「それもそうね…ウィルも剣だけで能力を使う事はないの?」
「‥そうですね。彼は自分の力には残念ながら気付いていませんので」
「そうよね。馬鹿な質問だったわ」

剣だけで戦っているのに能力が強いヴァンパイアの上を行く。

もし、ウィルが能力を使えば‥。

その時、キンッと刃がぶつかり合うと同時に剣がこちらに向かって飛んできた。

このままじゃ当たるけど避けた方がいいかしら。
なんて考えていると、アルがなんてことないように飛んできた剣を払い落とした。

「姫様、怪我は?」
「大丈夫よ、ありがとう。…ただ、見つかってしまったわね」

騎士団の視線は剣を追ってそのままリリィとアルベルトに向けられる。

そしてそこにいるのが姫であるリリィだとわかると慌てて跪き礼を取る。…ウィルを除いて。

ウィルはというと何でいるんだという視線でリリィとアルベルトを見つめてからこちらに向かって来た。