永遠に愛を貴方に捧げて



城に戻り、ロイと二人でお兄様のもとに向かう。

そして町で人間の王の使者であろう者を見たことを告げるとルークの表情は兄から王子としての厳しい表情に変わり、リリィに部屋にいるように言い渡した。

人間の王の使者が来るかもしれない。
そのことが城の中の者に伝えられると一気に緊張に包まれた。

ロイも人間側にヴァンパイアの国にいることが知られたらまずいということで部屋で待機だ。

ロイはわかるけれど私まで部屋にいる必要はないと思う。

むしろ私は当事者かもしれないのに…!

お兄様のバカ、そう思いながらベッドに倒れ込んでいるとドアをノックする音が聞こえた。

「誰かしら?」
「私です」
「ウィル?入っていいわよ」

流石に寝っ転がったままではいけないのでベッドから起き上がって軽く身だしなみを直す。