永遠に愛を貴方に捧げて


それからは甘いものを食べたり買い物を楽しみつつ、町の最新の技術や孤児院を訪問したりと有意義な時間を過ごした。


「そろそろ帰らないと怒られるかなー。嫌だな、帰りたくない」
「そうね。お兄様に怒られたくないし、そろそろ帰りましょう」
「はぁ〜〜。…ん?なんか向こうが騒がしい」
「そう?今はちょうどヴァンパイアが活動してる時間だからかしら」
「そういう騒がしいじゃなくて…誰かが怒鳴って、子供が泣いてる…?リリィ行ってみよう!」

ロイがリリィの腕をつかんで走り出す。

「もう!」

帰るところだったのにと思いつつ、子供が泣いているのであれば見過ごすこともできない。

少し走ると人が集まっているところを見つけた。

きっとあそこだわ。
野次馬として中に入って万が一私の身分がバレたらそれこそ大騒ぎになるためロイと少し離れたところから様子を伺う。


「このガキの親はどこだ!弁償させる!!さっさと親を連れてこい!」

どうやら子供が飛び出してきて、馬車の車輪が取れてしまったらしい。

大声で騒ぎ立ててとんだいい迷惑だ。

それに男の服装、馬車から推測するにそこそこのお金持ちにみえる。

「嫌な大人ね」

さて、どうしようかしら。