永遠に愛を貴方に捧げて


夕食が終わり、部屋に戻ろうとすると窓からウィルが庭を歩いているのが見えた。

ウィルは気づいてくれる?

そう思ってジッとウィルを見てみる。
けれど見回り中なのか上を見ようとしない。

思わず窓を開けて名前を呼びたくなるけれど、お仕事の邪魔になるのは良くないと思いやめる。

ウィルも朝から夜まで大変だわ。
休暇をあげるようにお兄様に言おうかしら。

そんなことを考えながら再び部屋に戻ろうとした時だった。
小走りで誰かがウィルの元に近づいて行くのが見えた。

ウィルの前で止まると何かをウィルに手渡している。
こんな時間に侍女と庭で会うなんてもしかして密会?

ヴァンパイアの視力はとても良く、夜でもはっきり見えるが何を渡したのかまでは見えなかった。

ウィルへの贈り物かも。

侍女は渡して少しだけ言葉を交わすとまた小走りで帰ってしまった。

この様子だと恋仲ではないみたいだ。

私の知らない侍女だった。
いつの間に知り合ったのかしら。

そう思ってからふと気付いた。
私とウィルが一緒にいない時間の方が多いのだからその間に知り合う時間なんてたくさんある。

やっぱり寂しいわ。

これで良いはずなのに、私ったらダメね。


今度こそリリィはその場を後にした。