「それでウィルに聞かれたくない話は?」
それこそもっとも重要なヴァンパイアに関わる重要なことだろう。
ロイが軽くを息を吐いて目を瞑る。
「人間の王が言っていたんだ。…リリィを息子の妻にしたいと」
「…なんですって」
私が人間の王族の元に嫁ぐ…?
「結局欲しいのはヴァンパイアの力ってことだね」
「やっぱり…」
ヴァンパイアの血を、力を他種族のしかも王家に流れさせたら大変なことになる。
人間と結婚したくないわけじゃない。
別に他種族間の結婚なんて珍しいことじゃない。けれど王族同士が結婚は論外だ。
「人間の王…随分と型破りな人ね」
「傲慢なただのおじさんだよ。…もしリリィが嫁げば戦争はしないと言われたらどうする?」
「ヴァンパイアの王が私に嫁げと言われたら私は嫁ぐわ」
「リリィのその生き方、王族としては立派だと思うけど俺は嫌いだよ」
「…そうね。私だって…」
「私だって…何?」
「何でもないわ」
その先の言葉は飲み込んだ。

