「––––– 戦争が起こるかもしれない」
「なぜ…どうしてヴァンパイアの上に立つなんて」
「人狼、人間、ヴァンパイアは見た目はほぼ同じだ。しかし人間や人狼はヴァンパイアの奴隷にされていた過去がある。今でもヴァンパイアを恨んでいる奴はいるよ。さらにその寿命、力は他の種族が羨むのは無理もないからね」
「‥」
確かに何千年前、そういうことがあったのは事実だ。
だけどなぜ今になってヴァンパイアと戦い、上に立とうなど考えるのか。
「人間の王がこの間来たんだ。そして、協力を持ちかけて来た」
「人間の王…」
リリィはまだ見たことのない人物を頭の中で想像する。
人間の王は他種族の前には滅多に顔を見せないため、顔を知っているのはごく一部のみである。
「でも心配しないで。俺はそんなこと思ってないから。親父が、王が死にそうな今しかないとじじいどもはそれを通そうとしてるけど俺はいないし?そもそも民も戦争などしたくないに決まっている。だけど、人間の王は本気だった」

