「いいのよ。答えれる範囲で」
 仁美先輩に見守られる中、
「勇気よニコ」
 リカちゃんと、
「頑張れ」
 ハルちゃんが、なぜか応援してくる。
 菅野さんたち全員は黙ってしまい、また、生徒会室に沈黙が訪れた。
「えっと……その……」
 ああっ、私の声が目立つ。
 居心地の悪さを感じつつ菅野さんを見れば、菅野さんは泣きそうな顔をしていた。
 もしかして、私に変なことを言われると思ってるのかな?
 っていうか、これだけ生徒会メンバーがいて、どうして菅野さんのことだけ答えなきゃいけないんだろう。
 疑問はいっぱいだけど、全員の視線が集まっていて、尋ねる勇気はまったくない。
 こうなったら、早く訊かれたことだけ答えてラクになる。
 私は覚悟を決めて大きく息を吸い込んだ。
 そして、
「カッコよくて、優しくて、頼りになる先輩です!」
 と、言い切った。
 力む私の前で、みんながホッとしたような顔をして、脱力した。
「緊張した」
 マモル先輩が呟いた?
 えっ?
 なんでマモル先輩が緊張するんですか?