「仕方がないなあ」
 菅野さんが面倒そうに立ちあがた。
 そして、私の頭をポンポンとした。
 それだけで、私の心臓が高鳴った。
 顔がもっともっと熱くなってしまう。
 もうヤダ。
 こんなに幸せすぎてたら、私、本当におかしくなっちゃう!
「ニコちゃんに俺のカッコイイとこを見せなくちゃね」
 十分にカッコイイ菅野先輩が、伸びをした。
「アタシたちには見せる気ないんですね~」
 ハルちゃんと、
「ニコを死なせない程度にお願いします」
 リカちゃんが、菅野さんに早く行けとばかりに手を振った。
「ニコちゃんは手を振ってくれないの?」
 少し唇を尖らせて、菅野さんがとてもないことをねだってきた。
 私は熱くてたまらない頬に手を当てた。
 これって高熱すぎる。
 このまま熱が引かなかったらどうしよう。
 病気だよ。
「えっと、頑張ってください」
 ねだられるままに手を振りながら、私は自分のしていることが大胆すぎて後ろへ倒れる気がした。
「おう!」
 菅野さんはニッと笑顔でガッツポーズをすると、会長たちの元へと戻っていた。

Fin