ー祐太ー
俺は祐太。
はじめての転勤。兄貴はこの塾の副社長。社長は俺の祖父。
そして、俺は兄貴の命令でここに来た。
そして今に至る。
すごくだるい。バカばっからしい。
何とかするために来てるけど、意味は特にない。
ドアがあいた。誰だろう。
「こんにちは。お名前は?」
とりあえず聞いてみる。
「え、えっと、夏目こはるです。」
あ、そういえば新入生が来るっていってたなぁー
「あ、新入生?ちょっと待ってねー。」
教材のはいった段ボールを持ってきた。
「はい。これはテキスト。俺の名前は桐谷祐太。よろしくね。」
とりあえず、にっこり接する。
心のなかはだるい。
「はぁ、2年の授業からかぁー。だるい。」
西沢先生がかえす。
「先生?さっきからそれしかいってないわよー?もっとシャキッとしなさい!ほら、しっかり!」
西沢先生は8つ上。結婚してて、2人の子供がいる。
「はーい。まぁ、西沢先生がいるから全然つまらなくないですけどね!」
ま、嘘だけど。
「ほら、冗談いってないでいきなさい!」
「いった!叩かなくってもいいんじゃないですか?」
うわっ、無視された。
まぁ、いくしかない。ガキしかいない教室に。
ドアを開けた。
ほとんどの人がスマホをいじっていた。
「はーい。スマホしまえよー。きりーつ、気を付け!始めまーす。」
「お願いします!」
本当にガキしかいねぇー!
「俺の名前は、桐谷祐太。ヨロシクな。」
「先生ー!」
ある女の子がいった。
「英語のテキスト、1年生の持ってきちゃいましたー!」
アホか?普通、そんなやついねぇーだろ。
「お前はバカか?普通そんなやついねぇだろ?笑笑」
その子は花子ちゃん。お前はトイレの花子さんか!?
「まって先生、聞いて、いいわけがある。」
はぁ、しょうがない。聞いてやろう。
「はい。どうぞ。」
「あのね、今日ね、いつも国語と理解と社会じゃん?」
知らねぇよそんなこと。
「ん、で?」
「それでね、今日は英語ないからいっかーって持ってこなかったの!だからね…」
「お前はバカか?今日決まるから全部持ってこいって言われただろ?」
本当に人のはなしを聞かないガキが!
「えっ?聞いてないよー?そんなこと。だってうち、休んでたしー!」
知るかそんなこと。
「とりあえず、今日はいいだろう。はい、テキスト。」
「ありがとうございまーす!」
そして40分後
「はい、きりーつ。次テキスト忘れるなよ、花子。次忘れたら覚悟しろよ?ありがとうございましたー!」
花子が、近寄ってくる。
「テキスト、ありがとうございました。先生、覚悟って、どんな覚悟?」
「んーそうだな。次忘れたら、トイレの花子さんって呼んであげる。」
「まってぇー、それはイヤー!」
やっぱりガキはガキか…