この物語は


気まぐれな男子とクラス委員長の


ちょっとした物語。




―――

「森原愛、邪魔なんだけど。つか何してんの?」


話しかけてきたのは藤堂雅人。

気まぐれで有名な不良。

藤堂君と同じグループの不良たちが落としたお菓子のゴミを落としていたので私は後片付けをしていた。

廊下の真ん中で。



「あー・・・ごめん。」


私はそう言ってそそくさと廊下の端に寄った。

藤堂君はスッとしゃがみ込み、ゴミを拾う。


「え?」

思わず驚きが口に出てしまった。


「俺の連れが食ってたゴミじゃん、これ。あいつらに言っとくよ。ごめんな」


そういって、ゴミを一つ、ゴミ箱に入れて去っていった。




そうだ、彼は気まぐれなんだ。こういうこともあるか・・・


藤堂君とは同じクラスだけどよく人を殴ってるところをみたことあるし・・・


ああいう人、苦手だ。怖いな~・・・



独り言を言いながらゴミ拾いを再開した。



ついでだし放課後、焼却炉に持っていこう。




―放課後―

一緒に帰る相手も居ず、とぼとぼ袋を持って焼却炉に向かう。


ドンッ

曲がり角、そう注意もせず歩いていたから人にぶつかった。

カラ・・・ン


愛用の眼鏡が落ち、ぶつかった人が踏んづけてしまった。


「ヤッベ・・・!!」

その人は眼鏡を拾い上げ、どうにか直そうとしているが、不可能のようだ。


「藤堂君・・・」

「ごめん、森原愛。眼鏡・・・」

「いいの!今のは私の不注意です!!」

関わりたくなかったから眼鏡を受け取り、走ろうとした。


「待てよ!眼鏡、買いに行こ!な?」

「・・・え?」