その夜は、星が綺麗だった

「それでもお父さんは諦めなかったのよ。 


 私が日本にいる間ずっと、会いに来たのよ。



 マネージャーに追い返してもらったわ。



 今は何よりも、映画のことを考えなければならなかったから。


 苛立ちが積もっていくばかりだったわ。


 
 そんなしつこいお父さんにもう一度罵倒しようと思って、夜、公園に呼びだしてもらったの。


 罵倒というか、八つ当たりね...


 私が公園のベンチに座って待っていたの。



 そうしたらね、後ろからお父さんが







『夜がきれいですね』





 って言ったの。




 ......その夜は、今日と同じ、新月だったの。それでも、きれいって。



『新月ですけど?』って言ったの。



 怒りを通り越して、呆れた声になっていたわ。



 『私は、月よりも星のほうが美しく強いと思う。途切れることなく、宇宙を何億光年にもわたって輝き続ける星をが何よりも、私は好きなんだ』


 お父さんはそういったわ。