君を消したワタシ。君に消されたボク。


普段おちょくられてる私はここぞとばかりに威張ってみた。

「はぁー」

が、威張った私に返ってきたのはなぜかため息だった。

「先輩?」

「はい!」

普段おちゃらけているばかりのナオくんの、一大発表をするかのような低音ボイスに私は反射的に”気をつけ”の姿勢でとても良い返事を返す。

「あのね?それでもだよ?だとしてもだよ?

もう数週間はこうして自転車で来てるわけじゃん?

プラス、僕、注意しましたよね?」

私に自ら気づかせようとしているのか、ナオくんはそこまでで言葉を切ってじっとこっちを見つめている。