別に私は見た目で判断するような軽い女じゃない。 目の前に広がる光景は悲惨中の悲惨なのに、なぜかナオくんの声は楽しげだ。 「喘いでないって!ああ、もう。今週はいけると思ってたのになぁ」 ぶつぶつ溢しながら、私は倒してしまった自転車の群れを起こしにかかる。 それをナオくんは当たり前のように手伝ってくれた。 「そうだね。 僕もそろそろ倒さないで済む一週間を作ってもいいと思うんだけど……。 先輩は倒すのが趣味みたいな人だからなぁ」 「なにそれ?私にそんな趣味ないけど」