忙しくて吐きそうになった。
教えて貰う必要もなく、ああ、これが恋する気持ちなんだと理解できた。
同時にモトハルの顔が脳裏に浮かんだ。
中学卒業のあの日から、モトハルは会うたびに告白をしてくるようになった。
いつもはおちゃらけてるけど、その時の瞳は真剣そのもので。
「私ね。その……。好きな人ができたかも」
そう伝えようと思ったのはモトハルの気持ちを理解してしまったからだった。
人を好きになる気持ちを知ってしまったらいままでしてきた聞こえないフリがいかに残酷はものか実感した。
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