君を消したワタシ。君に消されたボク。


より深く記憶に残るよう。

よりはっきり脳に刻み込まれるよう。

そんなイメージだ。

「よう」

「まーた。モ、ト、ハ、ル!お、は、よ!」

今日は深く刻み込まれるように声までもゆっくりだ。

……うん。

違う。

知ってる。

コウは俺に正しい挨拶を示すために敢えてゆっくりはっきり発音した。