君を消したワタシ。君に消されたボク。


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その日は久しぶりの曇り空で朝から世界は薄暗かった。

予報では降水確率五十パーセントパーセント。

傘を持っていくかどうするか非常に選択に迷うパーセンテージだ。

「あのさ」

なんとなくいつもより静かなせいか俺の声はよく通った。

「んー?」

コウはこっちを振り向きもせずに続きを促して来る。

因みに、この頃のコウはまだ自転車を使っていなかった。

コウが帰りに自転車に乗るようになったのは二年に上がってすぐの頃だった。